茶芸しながら文学を想う

朝。ガイドさんから電話。昨日我々が離団したので、心配してくれたらしい。「23時に荷物をまだ取りに来てなかったみたいだったから心配して」すみません。24時までには戻りました。

朝食。カミさんが「先に行ってヨーグルトをとっておいて欲しい」と希望したので、ヨーグルトを確保しようとしたが見当たらない。ホテルの女性スタッフ(スーツを着ていたので、たぶん上級職員)に「ヨーグルトはある?」と尋ねたところ、親切に探してくれて、他のスタッフに確認してくれた上、「すみません、切らしてしまったようです」と丁寧に教えてくれた。 この女性スタッフは、この無愛想な上海で記憶にある限り、一番愛想良く、笑顔で丁寧に接してくれた人だったように思う。英語も上手だったし。 ホテルを出発。 バスの中のレクリエーション?としてガイドさんが指芸を指導。左手でOKのマークを造り、右手で人差し指と親指を立てたピストルのマークを作る。ガイドさんが「1,2,3」と言ったら、これを左右入れ替える。繰り返しながらだんだんスピードを上げていく。やってみるとわかるが、意外と指が思ったように動かない。これができる人は脳の働きが良くIQが高いということだが……私はバスの中の誰よりも上手だったということで、ガイドさんに褒められた。IQが高い? いいえ、難しいことが考えられないだけです。悩みがちな人には、こういうのできないね。単純な頭をしていると、没頭できるというか、何も考えないで身体でできちゃうということだと。雑念がないのね。

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茶芸を学ぶ、ということで茶芸館にバスは止まる。港湾施設みたいなところにあるのが謎。川船の発着所なのかな? 要はお土産屋に毛が生えたようなもの。 長いテーブルに座り、句読点のない日本語を喋るお姉さんから中国の茶芸について教わる。このお姉さんの話す言葉を聞いていると、現代文学で「“言語化されない意識”を表現する」偉大な試みStreams of Consciousを思い出す。大げさに言うとこんな感じ。 「皆さんは日本から来られて疲れておられると思うんですよそこで説明書の3番一葉茶このお茶はとても身体に良いお茶ですみなさんの疲労回復にいい元気が出るお茶。味はあまり良くないとても苦いけれども日本でも良薬口に苦しと言いますよねしかもこのお茶は名前が覚えやすいでしょ一葉茶つまり樋口一葉の一葉です。今日はみなさんぜひこのお茶を飲んで元気になって帰って下さいこのお茶は日本ではいくらお金を出しても手に入らない売ってないです」 まぁ句読点が欲しくなるのは別にして、茶の効能などあれこ聞いていると、茶を飲むのが健康にいい、という気分にさせられる。カミさんが、一葉茶を購入。 それから店内を眺める自由時間。小さな茶器のセット、58元の値札がついているものを、2つで日本円1200円(≒80元)くらいまで下げてもらった。