宗教的家具屋/ヒルシュ博士のラーメン

【2006.12.19の日記】

本日のBGM アルバム『innocence』より ささのみちる「君が好き」  君は秋が好き ぼくは夏が好き  君はダリが好き ぼくはモネが好き  君は本が好き ぼくは外が好き  君は…… ぼくは……  なにひとつ好みが重ならない  君とぼく  そんな二人が一緒に暮らしてる # 後半「君がすきなのが ぼくで/ぼくが 好きなのは 君」という素敵な歌です。 # 作詞・作曲 片桐麻美

今日は一日、恋人と一緒におでかけする日。 彼女がまる一日空けられる日がほかにあまりなかったので。 私がIKEA港北へ行ってみたいと言うと、恋人さんが車を出してくれた。 もがみ庵にお迎えにまで来てくれてさんきゅ。 運転を引き継いで、レッツゴー。IKEA北へ。 何回か迷いながらも、なんとかたどり着く。 外から見た印象は、大きい! 駐車場へ入れて、中へ入る。 お店は純然と順路が決められていて、 2階→1階→セルフサービスエリアという順番で見るようになっている。 2階と1階は販売見本みたいなもので、実物を眺めながら、 欲しいかなー、という商品番号をメモしていく。 セルフサービスエリアで自分で商品を選び出し、レジを通過して持って行く、 ということらしい。 厳密な価格比較はできないけれど、ものによっては安いかな、という気がする。 食器類、テーブルなど。 ただ、私がなんとなくイメージしていたのはなかった。  キャスター付きの本棚(高さ63cm以下)  スタンド式鏡 ニトリのシンプルさの方が私に合うのかも。 あと意外と見た目ほど広大でもなかった。2フロアしかないせいかしら。 セルフサービスエリアは圧巻。 天井がズドーン!と高い倉庫に、商品がドンドンドーン、と積み上げてあって、 巨人の国に迷い込んだような気持ちになる。 一種宗教的な体験と言えなくもないね(笑) しかし、ホントにあの中から自分の欲しい商品を引っ張り出せるんだろうか? 上の方にあるのはどうすりゃいいの? 小腹が空いたので、出口付近で売っていたホットドッグを食べることにする。 ケチャップとマスタードは自分でかけるようになっていて、 彼女はケチャップをたっぷり。マスタードは使わない。 私はマスタードを少々。ケチャップを使わない。 ……ああ、またここでも意見が分かれた(笑) というのも、彼女と私は、まったく趣味が合わないのだ。  私は紅茶コーヒーを飲む。彼女は紅茶もコーヒーも飲まない。  私は漫画を読む。彼女はほとんど読まない。  彼女は本を読む。私はほとんど読まない。  彼女は旅行が大好き。私はほとんど行かない。 チェスタトンの『ブラウン神父の知恵』収録の短編 「ヒルシュ博士の決闘」を彷彿とさせる。 つまり、まったく対極というのは、まったく同一というのと同じことだ。 彼女と私の趣味が全部違っているのなら、 それは鍵と鍵穴のようにぴったりということになるのじゃないか。

「これほどまでに反対ずくめのものは、けっして衝突することのできぬものなのです。  いっぽうが突き出ているところでは、他方ではひっこんでいる。  顔と仮面、鍵穴と鍵……」 ――(G.K.チェスタトンヒルシュ博士の決闘」) 彼女は「それは超ポジティブシンキング(笑)」と笑うけれどね。 そのまま行くあてもなくドライブ。 彼女は海が好きなので、鎌倉まで行こうか、なんて言いながら。 途中、ふと彼女が近くにアウトレットモールがあることを思い出し、 そこに行ってみようと言う。ヨコハマベイサイドマリーナ。 到着してみると、私もそういえば昔に来た覚えがある。懐かしい(笑) 私はハーフコートがもう古くて汚れているので、代わるものを探す。 気になる服を身体に当てて彼女にコメントを要求するも、 彼女はまったくコメントしてくれない。 彼女は、自分の意見が無用の長物だと思っているらしい。 代わりに「試着して、どんどん試着して」と言う。 自転車用のグローブも見る。 timberlandにあったのがちょっとよさげ。 自転車屋にあったのよりお洒落な感じ。少し高いけどね。 お腹がすいたので鎌倉へ行くのはやめて、かなり道に迷いながら登戸へ。 県道13号線があまりにひどい。2車線になったかと思うと、車線が消えたり。 あまりに変化が激しいので「道を間違えたかな?」と思っちゃうんだけど、 実際はそれで合っているのだ。よほど古い街道なのか。 これだったら普通に海沿いに北上して、 川崎辺りで曲がった方がよほどよかったかも。 二郎インスパイア系のお店「蓮爾 登戸店」へ行く。二郎系は 彼女がずっと「美味しい美味しい」と言っていたラーメン屋さんなので、 少なからず、興味を持っていたわけだけれど。 えええー。 出てきたラーメンを食べてカルチャー・ショックを受ける。 面が太い。んでもって固い。 普通で出されたら生煮えだと思うところだ。 ゴム麺と呼ばれるだけのことはある。 博多ラーメンにも「バリカタ」というオプションはあるが、 それは細麺だからこそ食えるのだとわかった。太麺でやるとゴツイ。 でも、彼女によるとこれが「暫定1位」なのだ。 彼女と自分の趣味の違いをまざまざと見せつけられる思い。 博多細麺のあの繊細さを懐かしく思いながら、ごつごつとした麺を食べる。 私より早く彼女が食べ終わる点も驚愕。 私は決して食べるのが遅い方ではないのだが……。 周りの男性を見ても、私の方がかなり早い。 彼女は、ラーメンだけは食べるのが早いらしい。 私は食べ終わってからもずっと考え込んでしまった。 アレが「美味しい」というのが信じがたい。哲学的だ。 不思議と「不味い」とは思わなかったんだけど、彼女にそう言うと、 彼女は「無理しなくていいですよ」と言う。いや無理はしてないよー。 漫画『大使閣下の料理人』で見たシーンを思い出した。 めちゃ辛いタイ料理に泣きながらも 「これが本場の味ですね!」と感動してムシャムシャ食べる主人公。 それに対して、日本人嫌いのタイ女性は 「無理しなくていいですよ。  日本人がこんなの食べて美味しいわけないでしょう」 と言い放つ。それに対して主人公は言う。 「いいえ、いろんな国の『美味しい』を理解してお客様に喜んで頂くのが  公邸料理人の仕事なんです」 ……さて、あのラーメンの『美味しい』を理解できるかどうか。 今度機会があったら、スープが1位だという吉祥寺に 連れて行ってもらおうと思う。 その後、もがみ庵まで運転してお別れ。 彼女が車を運転してお帰りになりました。 昨日撮った忘年会の写真がアップロードされていたんだけど、 編集とか選別とかまったくされていなかったので、やや焦る(汗) 縦撮りした写真が横のままアップされていたりする。 いい顔をピックアップできるように連続シャッターで撮った写真が、 全部くまなく載ってたりとか。 Iさんが機械苦手というのは聞いていたんで、 こっちである程度編集した方がいいかなー、とも思ったんだけど、 できるだけオリジナルに近いものをお渡しするのが筋だろうと思って、 サイズを削る以外の編集はしなかったのだった。 ……次回こんなことがあったら、メリメリ編集して、 そのまま公開できるくらい完璧なのを渡そう(笑) 関係ないけど、 私のツッコミは時々怒ったように聞こえるらしい。 これまでも何回かそういう時があった。 自分では全然怒ったように言っているつもりはないんだけど。 うー。ツッコミの時はかなり気をつけないといけないな。