餅恐い

今日は会社の鏡開きデー。鏡餅を開いて、作業者のおばさまがたがお汁粉を作ってくださる習わし。 3階のオフィスに座っていた私にも、もちろんお汁粉の入った椀が振る舞われた。 私はもちろん、喜んで食べた。 そのとき、悲劇は起こった。

私は餅を食いちぎろうとした。餅の奴は抵抗した。食いちぎられまいとしたのである。そうはさせじと私も力を込める。私と餅の競り合い、力比べとなった。 餅の奴は、私の予想を遙かに超えてあっさりと、めちゃあっさりと折れた。いや折れたんじゃなくて、ちぎれた。餅なんだから、もうちょっと粘ってもいいじゃないか、と思う。もうちょっと伸びたっていいと思う。でも奴は、あっさりとちぎれたのだ。 勢い余って私の左手は制御を失い、思い切り、まんべんなく、私のひざと、デスクと、リュックと、床絨毯に、あずきのたっぷり入った、汁気たっぷりのお汁粉が振る舞われた。喜んだのは床の奴……だったかどうかは知らないが、私はもうなんつーか、がっかりである。 蒟蒻ゼリーを規制している暇があったら、餅を規制せよ。餅を。<<<私怨