走るイケメン/アトリエ・ダンカンプロデュース「風が強く吹いている」

友人に誘われて、アトリエ・ダンカンプロデュースの舞台「風が強く吹いている」(原作:三浦しをん)を観に行く。 ◆舞台「風が強く吹いている」 会場はテアトル銀座。かなり後ろの方の席で、遠くから舞台を見る形。 カミさんは「三浦しをんさんをトークショーで見たことがあるけれど、とても面白い人」と好感を持っている様子。私はパラカップの飲み会で隣に座った人からこの『風が強く吹いている』に感動してジョギングを始めた、という話を聞いたことがあり、興味をひかれた。もちろん、ソリカン読者ならもうおわかりであろうが、いつものように、原作を読んだことはない。 この舞台、主人公は10人の若者なんだけれど、演じる役者の多くは若いイケメンであり、客席の大半は若い女性客であり、その構成比(イケメン:女性客:それ以外)からこの演劇に期待はしない方が良さそうだ、と始まる前から負け犬ムードだったのだが、どっこい、けっこう面白かった。 まず、原作がたぶん、面白い。そして、演出がなかなか頑張っている。原作の面白さを損なうことなく、いろいろ工夫して丁寧に舞台に変換している。場面転換を最小限に抑えた脚本もなかなかよくまとまっているし、窓を生かした舞台設計もいい。光の使い方が巧みで、引き込まれる。そしてクライマックスの「駅伝シーンをいかに狭い舞台で実現するか」という点も、工夫によって切り抜けている。 見終わって満足の公演でした。 アフタートークでは、役者のうち5人が登場し、アンケートの質問に答える。トーク自体はメロメロだったけど、ファンサービスとしては良いのでは。