新宿でヨドバシカメラをちょっと見た後、ストリートパフォーマーに遭遇。たぶん外国人。サングラスをかけた浅黒いスーツ姿の男性。ネクタイが風にあおられ、猛烈にダイナミックな姿勢で闊歩している……のにその場に固定して彫像のように動かない。手前に落ちている帽子に小銭を入れると、普通に「Thank you」と笑顔が返ってきた。ちょっとした人だかりがして、道行く人たちがケータイで写真を撮っている。センスがない。ここは動画で撮るとこだろ。止まっている、という凄みを表現するのに、静止画像を選択するなんて。 渋谷のスペイン坂を越えて、ParcoのDelfonicsリニューアルオープンを眺め、エクセルシオールカフェで時間調整。
Appleストアで、 宙 -SOLA-の吉村紘一氏×華道家IKEBANA ATRIUM大久保有加氏トークショー。演目は「植物とデザイン」。 トークショーというより、前半は吉村氏の講演会で、後半は大久保氏の講演会。まぁ二人で話すとなると、これは話がどこに行くかコントロールしづらいし、気持ちは分かる。 吉村氏の話は植物の機能美に関することが主。と同時にそれは 宙 -SOLA-が生み出されるに至った吉村氏の感覚・観かたを開示しているわけで、興味深い。 ・工業デザイン展の写真と博物学的な植物写真の比較。形がそっくりなものがあり、植物の形が機能美を備えているということ ・種子というのは、植物にとって「最先端技術を込めたカプセル」であるということ。子孫を残すという至上命題のために、さまざまな工夫がある。 ・ライト兄弟以前のグライダーの原型となった、羽のついた種子がある。この種子の形をモデルにグライダーが作られた。 ユーカリは・火を使って種子を繁栄させる。油分が強く、山火事を起こす。山火事によって競合を焼き払った後、そこに種子をまく。ユーカリの種子自体も、フライパンで炒めると発芽するくらい、熱に強い。 なんとなく『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する「風の流法(モード)」「火の流法(モード)」みたいで面白い。 一方、大久保氏の話は「光の流法(モード)」。 ・祖父が繰り返し語ったのは「花を生けるにあたってはそたなが太陽であると思って生けなさい」ということ。花は太陽を指向するものであるから、花にとっての正面は太陽になる。それを基本と知った上で、横に向けたりということはある。 ・生け花の流派は池坊→小原流→草月流と分かれてきた。池坊に比べると草月流はより自己表現寄りになっている。 ・植物には、人間が矯めることのできる線と、矯められない線がある。たとえば、ガーベラの茎は曲げようとすると折れてしまう。その2種類の線を知ることが重要。 ・植物に対して、人間が手を加える(切る、矯める、刺す)ことによって、空間を取り込んでいく。 生け花というものが、植物と人間の間にあり、さらに空間を意識して作られるという話は、面白かった。生け花というものが、そうやって考えて作られているとは知らなかった。 二人とも、理知的に美を研究する、という、なにか知性と感性の両面をうまく融合させて美を目指しているところが似ているな、と思った。 終わった後、しばらくAppleストア内でiPadとかいじってみた。初iPadキーボード。思ったよりも反応がいい。というか動作早いね。ヘタすると、いろいろソフト入れてる私のtypePよりよほど反応がいいかもしれない。でも、タッチタイプをする時にキーボードに指を置く癖になっているので、ついついミスタッチしてしまう。でもこれに慣れたら、かなりスムーズに文字が打てるんだろうなぁ。……あー新しいVAIOが欲しくなってきた(そっちか)