浦和で行われているZineフェス埼玉に行く予定だったが、家庭内トラブルにより、急遽浅草橋まで行くハメになった。
書肆スーベニアでの冒険
ついでに、先日行こうとしてお休みだった古書店「書肆スーベニア」を訪ねる。今度は開いていた。
友人によれば、『東京 わざわざ行きたい街の本屋さん』という本で紹介されていた「書肆スーベニア」の写真で、書棚に文芸同人誌『有象無象』が置かれていたのを発見したというのである。これは行かねばなるまい。
店内をつぶさに検分し、写真に映っていた棚も見たが、当然、文芸同人誌『有象無象』は影も形もなかった。たちまち売れてしまったのだ。そうに違いない。それとも、まあ、それ以外の運命をたどった可能性も……なくはない。
書肆スーベニアは、古書店にしては書棚の間隔がたっぷりとってあり、陳列の仕方も見やすく、洒落ている。店内の品揃えもどことなく教養を感じさせるものがあり、棚を検分して歩くだけで知の冒険をしているような、あるいは自分の教養を試されているような、そんな気もしてくる。
個人的には、ハヤカワSFの青背、しかもアシモフ、クラーク、ハインラインといった、今では古典といっていい作家が潤沢で嬉しい。あと漫画の棚に、わかつきめぐみさんが2冊もあって嬉しい。杉浦日向子もこれまでに見たこともないほど(たぶん4冊ほど)あった。
以下4点を購入。
- アイザック・アシモフ『夜来たる』
- ホルヘ・ルイヘ・ボルヘス『幻獣辞典』
- かわかみなおこ 『はなしのかけら』
- 本好きあるあるしおり「本を忘れた時の絶望感はんぱない」
『夜来たる』はそのタイトルの印象深さが心に残っていて、私はしばしばこのタイトルを口ずさんでしまうのだが、一方で中身がどうだったのかは忘れてしまった。表紙に書かれたあらすじは何回も読んだのであらすじはわかっているのだが、どんな話でどんな結末になるのか、そもそも本編を読んだのかどうかさえちょっとあやしい。
ボルヘスの『幻獣辞典』は、ファンタジーRPGに傾倒していた高校時代に欲しくてたまらなかったがハードカバーだしちょっと手を出せずじまいになってしまっていた一冊。文庫本だが600円で買えた。
『はなしのかけら』はZINEのワゴンにあった。今日、浦和で行くはずだったZINEフェスに行けず、ここでZINEに巡り会ったのも何かの縁と一冊買うことにした。
本好きあるあるしおりは、棚の間に展示されて売られていた。本好きの「あるある」を端的な文言とイラストであしらったものでユーモアがある。忘れ物で絶望しがちな私は「本を忘れた時の絶望感はんぱない」に強い共感を覚えたので購入。
秋葉原での買い物
スーベニアの冒険は終わったが、娘の稽古が終わるまで時間を使わなければならない。まずは秋葉原のヨドバシカメラへ。
- 万年筆のインクカートリッジ
- カメラのキャップ、ストラップ付き
それから、ゲーミングヘッドセットを見て回る。
OK、主要ラインナップだいたい理解した。ちょっと悩むなー。
『夜来たる』を読む
ベローチェでコーヒーを頂きながら、短編「夜来たる」を読む。 連星の太陽により常に天に太陽のどれかが存在する、つまり夜のない惑星。しかし天文学者たちがつきとめたところによれば、2050年に一度、太陽が天にひとつしかない時に日蝕が起こり、世界は真の闇に包まれる、それがもうあと幾日かで始まるというのだ。 パニック映画的な物語で非常に読ませる反面、落ちがないので短編好きとしては少々カタルシスに欠ける。これは短い長編小説だな。
稽古が終わった娘をピックアップして帰宅。