時間堂・王子スタジオこけらおとし公演。『SmallWorld'sEnd』。4時間近くにおよぶ、短編のオムニバス。
王子小劇場からさらに歩いて行くと、ガラス張りの、わかりやすい場所にあった。普通劇場というのは照明に懲りたがるので、暗い閉鎖的な場所に作ることが多い。地下とか、そうでなければビルの一フロアを真っ暗にするとか。こんなにガラス張りの明るい劇場というのは、あんまりないのじゃなかろうか。そういえば黒澤 世莉氏の公演は、割と照明に凝らないものが多い、という気がする。
- 「奴隷の島」ピエール・ド・マリヴォー / 酒井三喜 訳(70分)
- 休憩(20分)
- 「かんしゃく玉」岸田國士(15分)
- 「熊」アントン・チェーホフ(35分)
- 「工場でのもめごと」ハロルド・ピンター(5分)
- 休憩(20分)
- 「星々を恐れよ」アゴタ・クリストフ(60分)
合計すると4時間に達するという、破格の値段(2000円)で破格の時間。
一番気に入ったのは「かんしゃく玉」。短編の短編らしい、小気味よさがある。元の作品も戯曲のようだが、短編小説の風格がある。
「工場でのもめごと」は勢いで面白かった。どんな作家なのかと思ってハロルド・ピンターを調べてみたが、「不条理劇の大家」らしい。これは短編のコメディ/喜劇として典型的で、きちんと仕上がっている。