最初のうち、この名前がどうしても覚えられなくて「養命神妙反魂地」とか「幼名判明新天地」とか適当に呼び習わしていたんだけれど、ちゃんと分解して覚えれば別に悩む必要はないのであった。というか普通の人は普通に覚えられるのかもしれないけど。
これは岐阜にある巨大なアートスポットの名前で、人類が「生」をベースにした生活を取り戻し幸福になるためには、天命(死)を反転させる必要がある、ということから、その名を天命反転地と称す。「養老」はもともとの土地の名前であって、別にアートも天命も関係ない。しかしまぁ、このアートスポットが「渋谷天命反転地」とか「池袋天命反転地」だったらたぶんナムコが経営しているテーマパークにしか思えないけれど、「養老」だったおかげでなんだかちょっと有り難みがあるわけで、「こいつ、名前で決めたな」という感じはする。
では、お役立ち情報など。
■留意点
園内ではかなり急斜面を歩くことになる(場所によっては、杭にしがみつきながら急斜面を上り下りする)ので、滑りやすい靴や高いヒール、短いスカートは避けた方が無難。アートなんて優雅な雰囲気ではなく、むしろアスレチックコースに挑むくらいの完全武装で。ミュージアムショップで運動靴を借りることができる。ヘルメットは、なくてもいいとは思うが必要に応じて。雨の日は諦めた方がいい。楽しめない。晴れた日でも土埃で汚れること必須なので汚れて困る服も避ける。
併設の食事スポットは屋台レベルのものしかないので、あまり高い期待はしないこと。天命そばはまぁまぁ美味しかった。近隣に飲食店はない。弁当とピクニックシートを持ってきて芝生で食べるのが正解かもしれない。
入り口入ってすぐのところにミュージアムショップがあり、ここで420円の地図を購入するといいと思う。我々は購入せずに入っちゃったんだけど、地図があった方が楽しみが増えると思われる。パンフレットの概要なども読み込んできちんと情報を得てから始めた方が面白い。
■3時間の散策の結果に基づくあてにならないガイダンス
◆日本地図
大小5つの日本地図が隠されているという。地図やパンフレットを見れば2つは明らか。残りの3つは探すしかない。我々は1つしか発見できなかった。
◆「極限で似るものの部屋」
パンフレットによれば、ここで得られる情報は楕円のフィールドにおけるヒントになっている、という。さっぱりヒントが読み解けないのが残念だ。
ここに置かれたオブジェクトは、上下に関して少なくとも3層に渡っていることに留意。天井、地表、地下。
一点だけ、見落としたくないのは、「極限に似る部屋」の隅から「精緻の棟」に続く3筋の通路(溝のようにパンフレットに描かれている)があること。園内に通路(散策路)はたくさんあるが、この通路だけは他に類を見ない様式を持っているので、重要な意味を持つと思われる。
◆「精緻の棟」
楕円のフィールド側から近づいてよく見れば、銀色のはしごの脚が見える。背を低くかがめれば、壁の内側に入ることができる、とわかるはずだ。この棟で一番注目すべきは、おそらく、足下に半円形に並べられた丸石のフィールド。これも園内で類を見ない構造物なので、これが何を示唆しているかは推理するべきだと思われる。
◆「切り閉じの間」
真っ暗なので入ることがためらわれる通路。ミニライトなどがあれば好都合だが、最悪、ケータイの液晶やデジカメの液晶を明るくして入ることはできる。不安なようなら、デジカメでフラッシュ撮影し、すぐ画像を確認すれば、構造は見える。残念ながら我々は最深部まで十分調査できなかったが、園内でもっとも難易度の高いエリアなので、おそらく奥には重要な情報があるだろうと思われる。
◆「地霊」
「切り閉めの間」同様、地下に入っていく構造物だが、「切り閉めの間」に比べると明るく、奥行きも短いので、簡単に攻略できる。重要スポット。
◆楕円の外壁
楕円のフィールドは高い外壁に囲まれているが、実はその上にも通路がある。地図を手に入れていれば簡単に見つけられるし、パンフレットにもそれらしき筋が描かれている。
◆養老天命反転地記念館
制作者のいくつかのスケッチ、ジオラマモデルは、このアートスポットのイメージについてヒントを与えてくれるように思われる。
◆「もののあわれ変容器」
上から見ると、ハートの形をしているように見える。
以上の情報から、私はおぼろげな仮説を一つ持っているが、まだそれは真相からはほど遠いように思われる。誰かが解き証しをしてくれるといいのだけれど。
下は桜島の前に立つカミさん。
■一年前の日記
2008年10月15日
インド最高級ホテルの味: Solitaire's DiaryBBS