描くことと書くこと(大竹伸朗×いしいしんじ公開講座)

A氏は0900時頃に、上野に向けて旅立った。私は少し寝る。 恋人さんが「ぜひ行きたい」ということで、大竹伸朗氏といしいしんじ氏の公開講座@慶応大学へ。例によって、あまり私は仕手の二人について詳しくない。まぁさすがにいしいしんじ氏が小説家だということくらいは知っているが、作品は読んでなかったり(すみません)。でも大竹氏は直島で作品を見た(話の中に登場したので思い出した)。 印象的な話。 ◆大竹氏の展覧会。自分の作品を10代の頃からひたすら時系列で並べた。会場では「自分の中を歩く」ような感覚だったという。 ◆いしい氏「(絵で)画面にならないようなところ」について。キャンバスに描くにあたって、筆がキャンバスから離れている軌跡と触れている軌跡がある。その二つは連続しており、「触れていない軌跡」「画面に残らない軌跡」も大切なのではないか。小説を書くのも同じで、作品に残らない、作品にアウトプットする前の軌跡が大切なのではないか。 ◆大竹氏曰く、目隠しコラージュ、というワークをしたことがある。見えない状態で、手探りでコラージュを作る。見えない状態で作っていても個性・スタイルがある。もしかすると絵を描くのに見る必要はないのではないか。小説や絵も作品を作っている時っていうのは「目が見えない」状態なのではないか。 ◆大竹氏の(半立体な)絵を見て、体当たりしてひっくりかえった少年がいた。何か感じるところがあったらしい。大竹氏「絵の鑑賞方法に『体当たり』という手法があったとは……(笑)」 ◆Q(もが質問)話の最初の方に登場した「バッタリ手帳」とは何か? 偶然を記録する手帳。偶然起きることを並べていくと、面白い。そこに一つの流れがあったりする。 全体に大竹氏の方がよく喋っていたような印象はある(年長だったせいか)が、質問の時にはいしい氏は熱が入っていた。