オチのない話と、夢のある話

カミさんとDVDで映画を観るのこと。カミさんセレクト。 『火宅の人』視了。私は、私小説って好きじゃないんだ。自分の半生を美化して語るなんて、なぁ。

A gossip is one who talks to you about others; a bore is one who talks to you about himself; and a brilliant conversationalist is one who talks to you about yourself –Lisa Kirk 習作的な、文章を書く練習としてはいいかもしれないけれど、創作としては創造力を使ってない気がする。人間の真実を描く、みたいな高尚な(あるいは「高尚に聞こえる」)文学として考えるなら、目的にあっているのかもしれない。私は、面白い話が書きたいし、読みたいので、私小説はそれに合わない。だらっとした、「オチのない話」みたいなところがどうも好きじゃない。

『未来を写した子どもたち』視了。 これは非常に面白かった。インドの売春宿地域で生活する子どもたちに写真を教え、簡単なフィルムカメラを与えて、自立を教える試み。やはり根本的な解決には、教育が重要ってことか。 この試み自体は、すごいムーブメントを起こしたわけでもなく、教えた子供たちの全部を救ったわけでもなく、結局のところ、大した実効をあげることはできなかったかもしれない。でも、こうして映像になって、世界中の人が見て、知ることができる。こういう小さな試みが、少しずつ、世界を変えていくのだと信じたい。

■一年前の日記 2009年06月13日 時間堂vs時間泥棒/渋谷ふらふら 小食の交流会