ロビン・フッド未来を語る ~人はいかに自己を語るか

自己紹介をする時間を5分与えられたら、どんな自己紹介をしたらいいだろう?

うちの会社では、月曜の朝に30分のミーティングを行っていて、その中に、社員が持ち回りで短い話をする時間がある。本社には30人近い社員がいるので、まぁ半年に一回というところだ。今期は「自己紹介」がテーマになっていて、各人が自由に自己紹介をする。時間としては5分~10分といったところ。

私は会社の中では比較後の方の順番だったので、前の人たちがやる自己紹介を聞いていた。聞いていて思ったのが、みんな経歴の話をするということだった。たしかに経歴の話は、自己紹介としてはわかりやすいし、意外な前歴などがわかって面白い。面白いことは面白いのだけれど、何人も聞いているうちに、はたして「自己紹介」というのは「経歴」と同義だったかしら、という違和感を感じた。みんながやっているのは自己紹介というか、過去紹介である。

私は、マンネリが嫌いでアマノジャクなので、人がやる「普通」のことは避けて通る。

私は、自分の番が来たら経歴を語らないことにしよう、と決めた。まったく語らないのも何なので、ほんの一瞬、短く触れるだけにしようと決めた。では他に何を話せばいいだろう?

もちろん、私について、だ。

もちろん、過去ではない、現在と未来について、だ。

Poor men talk about other men. Average men talk about events. Great men talk about ideas. 心貧しい人は他人のことを話し、普通の人は出来事を話す。 偉大な人はアイデアを語る。 ――ベン・キングスレーアカデミー賞男優)

私は、自己紹介のために一つプレゼンテーションを作り上げた。

その中で、自分のミッション・ステートメントを紹介し、ビジョンを紹介し、価値観を紹介し、ロールモデル(≒なりたいイメージ)がロビン・フッドであることも紹介した。好きなものを紹介した。それから、会社の中でやりたいと思っていることを紹介した。

我ながら、なかなかいい自己紹介で、いいプレゼンだったと思う。自己紹介のあり方に一石を投じることもできたし。