排他的な一族

母親の誕生日が近いので、夕食を家族4人で食べることになっている。恋人さんが「お兄さんにも会いたいし、良ければ参加させて欲しい」と希望したので、母親に、恋人さんを連れて行っていいかどうかを訪ねた。 「ええっ……ちょっとまだ早いんじゃないかしら」 困ったように顔をしかめて、うちの親はそう言った。それは完璧に私の予想通りの返答であり、その瞬間に私は、自分がこの家の一員であることを自覚した。 慎重で、排他的・閉鎖的でどちらかというと人嫌いに属し、神経質で扱いづらい一家によって私は育てられたのであって、私自身の執拗なまでにネガティブで排他的で閉鎖的な性質は、そこに由来しているに違いないのだった。 もちろん、私はこの家族に育てられたことによって、たくさんのものを得たし、自分の性質のおかげさまでかなり幸福な状態(少なくとも、過去1ヶ月間については)であるので、文句を言う筋合いではない。ではないが、しかし厳然として対人面でハンデがあることも事実だ。 そのハンデに気づくのに34年の歳月を要したことは不幸なことだが、34年目でそれに気づくことができたのは、幸運なことだった。まだ人生は長い。少なく見積もっても、あと200年は残っている(私は300歳か、それ以上生きる予定だ。その割には長期的な見通しがゼロだが)。普通の人が普通にできることを、これから学べたらな、と思う。

■一年前の日記 Solitaire'sDiaryBBS: 下っ端一号