「頑張れ」に代わる言葉

今日、mixiでコミュニティに入った。 ◆[mixi] ことばのくすり~心に効く言葉~ http://mixi.jp/view_community.pl?id=158540 で、そこにあったのが次のトピック。 ◆「がんばれ」に、かわるコトバ。 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=2679669 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=5187663&comm_id=158540 私自身、「頑張れ」という単語の用法には疑問を感じている。たしかに「頑張れ」が役に立つ場面もあるのだが、その一方でプレッシャーになったり、相手を傷つけてしまう場面も多い。思うに、あんまり不用意に使いすぎるのだ。誰もが口癖のようにして「頑張れ」を使う。あんまり使いやすいものだから、ついうっかり、「頑張るべきでない」相手に対してまでも「頑張れ」と口を滑らせてしまう。 私自身は、「頑張れ」に代えて「楽しんで」を使うようにしているが、これもよく考えてみると言葉を換えただけで、「楽しむべきでない」相手に対してまでも「楽しんで」と言ってしまっている危険性がある。すべて、言葉はその適した時に使われるべきで、選択肢が少ないことがむしろ問題なのではなかろうか。上記トピックの中では「日本語には応援する言葉が少ない」といった意見もあった。 それはともかく、このトピ、同じ話題がループしすぎる(苦笑) 2ちゃんねるのスレでも、長く続くと必ず同じ話題が繰り返されるものだが、このトピは輪をかけてループが多い。みんな前の発言など読みゃしねぇ(笑) まぁ最初のトピだけで1000発言あるので、いちいち読んでいられないのも分かるのだが……。 そういうわけで、再読しないで済むよう、私が自分で「これはいい」「これは使える」と思ったものだけをまとめておいた。ぜひこれらの多彩な表現を身につけ、豊富な選択肢の中から相手を応援し励ましてあげられるようになりたい。できれば、これを読むあなたも心に留めて頂きたい。 一応、わたし的に「使いやすいかな?」と思った順番で掲載。 「楽しんで」 「応援してるよ」 「うまくいくといいね」 「頑張ってるね」 「Take it easy(気楽にね)」 「Don’t kill yourself」 「Wish you happiness」 「Good Luck」 「I am on your side」 「ナイストライ!」 「頑張りましょう」 「夜明け前が一番寒い」 「苦悩を突き抜けて歓喜に至れ」ベートーベン 「あなたがやってるコト、覚えているよ」 「頑張りすぎないでね」 (「頑張ります」に対して)「がんばらんでええて。一生懸命やってくれればそれで」 「次に会う時は笑顔で会おう!」 「きょうのわたしは未来のわたし」 「It’s ability and not disability that counts.」パラリンピック創始者ルードウィッヒ・グットマン博士 「大丈夫」 「あきらめないで」 大ざっぱに分類すると「Enjoy系」「応援してる系」「気楽にいこう系」といった感じだろうか。 私は「Enjoy系」がやはり好みだ。頑張っている相手は視野狭窄に陥っている場合が多く、視点を広く持たせる意味で「Enjoy系」は有効だと思う。追い込まれている相手に「Enjoy系」をぶつけるのは意外性があり、使う側にもテクニカルな面白みがある一方で、使い手にスキルが求められる。相手に「こんな状況で楽しめるか!」とキレられても「そこをあえて逆に楽しんで欲しいんだよ」と穏やかに畳みかけるくらいの技量が欲しい。 「応援してる系」は非常に暖かみがあり、誰にでもオススメできる優等生タイプの言葉だ。何せ「(自分が)応援してるよ」と動作主体が自分になっているので、相手も文句のつけようがないし、プレッシャーになりにくく、使い勝手が良い。疲れている人に効く癒し系のセリフだ。マイナス面も少ないのでぜひ多用していきたい。(ただ、強すぎる期待がプレッシャーになっちゃう場合もあることはあるが) 「気楽にいこう系」はトピの中で一番出現頻度が高かった。いかに「頑張る」に対して反動が大きいかを示す一方で、私自身はそれほど重視していない。「気楽にいこう系」は下手をすると「頑張れ」と同質の無責任さになってしまう気がする。きちんとTPOを選んで使う必要がありそうだ。 以下、3系統に当てはまらないものについて少々。 「頑張ってるね」 は相手を評価することで間接的に励まし、認めるという評価系の単語。これは「頑張れ」からちょっと表現を変えるだけなので変更も容易だし、使い勝手が良いと思う。相手を高く評価し、それを口に出すというのは大切だ。「ナイストライ」も同系統。 「Don’t kill yourself」も便利そうだ。日本語にしてしまうと「ありのままで」「自分らしく」といったニュアンスだが、「kill oneself」という表現が「頑張る」のマイナス面を的確に表現していて、良い。 「夜明け前が一番寒い」は一種の金言だが、相手に先のビジョンを与え、希望を持たせる「希望系」と分類できるだろう。「次に会う時は笑顔で会おう」「苦悩を突き抜けて歓喜に至れ」なども同種。未来の良いビジョンが見えると、人はもうちょっとやる気を刺激されるものだ。 「がんばらんでええて。一生懸命やってくれればそれで」は、発言者の会社の上司の口癖だそうだ。微妙なニュアンスの違いだが、なかなか含蓄が深い。これまた「頑張る」のマイナス面だけを払拭しようとした表現の一種と言えそう。 「頑張る」ことが必要な場合ももちろん、ある。しかし、「頑張れ」以外にこれらの多彩な表現を選択肢として持つことで、周囲の人への励ましがより的確なものになる。というか、そうなればいいと思う。