アイランド/人生初が続く

今日は15時で仕事を上がって、ホテルに戻る。これから、接待される予定なのだ。接待されるということ自体、人生初じゃなかったかなぁ。

待ち時間の合間にホテルの近くの1ユーロ、2ユーロ、5ユーロショップをのぞいてみた。 いくら私が買い物好きだと言ったって、これはさすがに買えないほどちゃちなもの。ドイツで見かけた300円ショップだって、サンフランシスコで見た1ドルショップだって、ここよりは良かった。北欧の物価じゃこれが限界か。 あまりに購買欲が満たされなかったので、向かいのショッピングセンター(イトーヨーカドーみたいな感じ)に入ってみた。地下からメトロ駅へ抜けてみたら、別のビルの地下にラーメンスタンドを発見。日本人っぽい女性がカウンターに立っていた。あー、ちょっと食ってる時間はないな。 20090716_225938.JPG1620時、ホテルに迎えのタクシーが来る。食料品を買っていたフィンランド人2人を拾って「アイランド」へ。港から小さなボートに乗って、無人島へ向かう。 この島は先方の企業が私有している小さな無人島で、コテージがあり、そこで今夜はバーベキューなのだ。 すっぱだかでサウナをいただく。実のところ、人生初サウナだ。タオルも何もなく、素っ裸で、ただ紙をベンチに敷いてそこに座るのがフィンランド本場のやり方。 真っ暗な小部屋の中に、ひな壇がしつらえてあり、そこにめいめい腰掛ける。部屋の隅には焼けた石を入れたドラム缶があり、そこにお湯をかける。ものすごい蒸気が立ちこめ、みんなはふはふ言いながらじっと座って蒸気を味わう。一般に、このサウナ部屋の中で一番暑いのはドラム缶(ストーブ)の反対の角の一番高い場所。排気口の位置にもよる、とのこと。暑くなったら、部屋を出て、身体の汗を流す。といっても、水道がないので、お湯と冷水の桶から汲んで温度調整したぬるま湯をかける。 そのまま、まっぱだかで外に出て、大自然の中でいい気分を味わう。半ばヌーディストキャンプな気分だ。 水辺の小屋で、ゆったり過ごすのは、とてもfinnishな風景だという気がする。
20090716_231008.JPGそれから、服を着て、「Mölkky(ムルク)」というフィンランド伝統の遊び。 ボウリングに似ているが、ルールが微妙に細かい。 ・10本のピンに向けて、1本のピンを投げて当て、倒す。投げピンはアンダースローで投げること。 ・ピンを1本だけ倒した場合は、そのピンに書かれた番号を点数としてもらえる。 ・ピンを2本以上倒した場合は、倒したピンの本数が点数になる。 ・倒されたピンは、倒れたその場所で復帰する。つまり、ゲームが進むと、ピンはどんどん散らばっていく。 ・規定の点数ぴったりになったら勝ち。規定の点数をオーバーしたら、低い点に引き戻される。
20090716_231736.JPG倒されたピンはどんどん散らばっていくというのがミソで、1本だけ離れて倒しやすいのがあると、それによって点数を調整できる。規定点ぴったりにする必要があるため、正確な点数を狙うのが重要なのだ。 勝負はフィンランドチームの圧勝。たははー。 その後バーベキュー。ごっついバーベキューマシーンで、でっかいステーキ肉をじゅうじゅう焼く。
20090717_024015_0.JPGそれから、彼らがBlackWodkaと呼ぶ、Salmiakkiのお酒を飲ませてくれた。Salmiakki(サルミアッキ)は普通黒いキャンデーの形で知られていて、街のどこでも買える。ネットで検索すれば「世界一不味い飴」として悪名高い。が、フィンランドでは人気のお菓子。 このBlackWodkaも爆発的な人気で若者がどいつもこいつもこれで酔っぱらうので、一時は販売が禁止されたというシロモノ。ギリシャのウゾに似たような、薬草臭さがある。ウゾよりは甘くて飲みやすいかな。 彼らの話の中で印象的だったのは季節感。夏が最高なのは誰も同じだが、私が話した一人は、冬より秋の方がawfulだという。「冬はいいんだ、雪が降るから。問題ない。でも秋は暗いし、雨が降るし……」とのこと。まぁフィンランド人全員がそうだというわけではないだろうけれど。台風もなく、地震もなく、雷もなく……彼らの一人は「Nothing exciting」と言って笑った。 フィンランドには徴兵制があって、18歳から半年~1年ほどあるらしい。大学は5年制なので、大学を卒業するのは、25歳前後になる場合が多いとのこと。 バーベキューが終わった後、ボートでヘルシンキへ戻る。 彼らのうちの一人が「大統領官邸の方を通っていこうぜ」というので、歩いてホワイトハウスへ。フィンランドは現在女性大統領なのだそうだ。 木曜クラブへ行こう!と言うので行ってみたはいいが、長蛇の列は1時間待ち。うーん、そんなに人気のお店なんですか。さすがに入るのを諦める。昨夜、K氏&社長室長と一杯やったオープンカフェの前を通りがかる。フィンランド人に言わせると「ここで飲んだのかい? フィンランドで一番高いカフェだよ(笑)」とのこと。
20090717_044754_0.JPGGAZELLIというバーへ。ここはいくつかのバーが狭い中庭を囲む形になっていて、その中庭でライヴ演奏をしている。いい歳をした連中もノリノリで楽しんでいる。酒を飲みながら踊っているおっさんおばさんもいた。 中央駅近くにある「Butterfly」というカフェで、みんなで飲む。最初は外のオープンテラスで飲んでいたが、最後には中で一杯やりながら、ブラックジャックのテーブルに落ち着いた。かわいい女の子のディーラーが配る。たぶん大学生くらいかしら。私は財布をクロークに預けてしまったので、社長室長から20ドルを借りてプレイ。一時は24ドルくらいまで増えたが、その辺が限界。俺の賭け事の才能がないのは、ぱしふぃっくびいなすに乗った時からわかっていたさ。 全員がディーラーに順当に巻き上げられたところでお開き。
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