滅亡の序曲

2030時。

自宅で仕事を進めていた私は、私のノートPC VAIO typeT 、私が「NautsIII」と名づけたパソコンが異音を発していることに気がついた。いつの間にこんなことになっていたのだろう。ずっとPCの上に手を置いてタイピングしていた。最初はたしかに正常な駆動音だったはずが、気づいた時には明らかに異常な音を出し、小刻みに震えている。この症状は……まさか。 以前にも似たようなことはあった。NautsII、VAIO SR-X7のハードディスクが損傷し、回復しなかったあのときに似ている。 私は即座に作業を切り上げ(主要な部分は終わっていた)、まず、この週末に仕上げた仕事のファイルを、メモリースティック内に移した。土曜をつぶしてやった仕事が台無しになっては困る。週明けでは間に合わないからこそ、土曜に自宅でやっているのだ。 次に、DVD-Rを持ってきて、PC内の最近作業したファイルをすべてコピー。幸い、5月5日にPCのバックアップはとってあった。特にNautsIIIは私のPC生活の主力だからして、3ヶ月に1回、バックアップをとるようにしている。おかげで、コピーするのは5/6以降の主だったファイルだけで、DVD1枚におさまった。画像、カミさんのカフェ関係、それから日記のメモとか。 DVD-Rにコピーしている間に、ハードディスクの異音はおさまった。しかし、SRの時もそうだったのだ。あのときは、油断した。仕事のファイルを救出したところで異音が止まったことに安心してしまったせいで、残りのファイルを救うことができなかった。次にハードディスクが止まった時には、もはや二度と起動しなかった。 調べてみたら、壊れたSR-X7の代わりにNautsIIIを買ったのは2005年6月。まだカミさんに会うよりずっとずっと前。彼女もできなくてブラブラしてた頃。もう4年もがんばってんのかー。そりゃあハードディスクも寿命が来るわな。相当酷使しているし。SR-X7もたしか、4年くらいで昇天したんだった。 その後も仕事の作業を続けた。書類はこまめにメールで会社へ転送。安全のため。日記メモは、ローカルのWZ Noteを使わず、Evernoteでネット上のデータとSync。ネットを使ったサービスが充実してきたおかげで、複数のPCでデータを共有できるのはありがたい。 この後、どうなっちゃうんだろう。