馬はなくとも鹿は育つ/ゆるゆると大吉

本日のBGM アルバム『六本木島』より パール兄弟「田舎」 ハイウェイの音は低音 海はとりあえずグリーン 緩まるねじ

鹿島へ!(星新一『ほら男爵現代の冒険』にはたしか「空へ!」という章があったが、そのパロディであると誰が気づくだろう)

東京駅八重洲南口ハイウェイバスチケット売り場で高速バス「かしま号」の切符を購入。チケット売り場で聞いたところ、席の予約はできません。片道1780円、往復3560円。つまり割引なし。ネットでの販売もなし。ちなみに窓口でなくても運転手からチケットを買うことも可能。

片道でチケットを買った後でカミさん曰く「予約なし、割引なしで、往復で買うメリットなんてある?」う……む……鹿島に競馬に行く人かな。交通費はあらかじめ引き落としておくのがセオリーよ(賭け事に熱くなると交通費に手をつけてしまうので)。

wikipediaによれば、「かしま号」は意外な人気路線ということで、けっこう人が乗るということだったが、今日の便は乗車率50%くらいかな。普通に難なく座れました。

10時東京駅八重洲口出発。11時、利根川を超えると、ぐいっと視界が開けて、一面の水田地帯。田舎、田舎、田舎。

12時鹿島神宮到着。 坂を上っていくと100円ショップを超えてすぐのところに、硝子張りの私塾があった。多苗尚志が我々に気づいて、玄関のカギを開いてくれる。

中に入って、ホワイトボードの前に立つと、ベトナム人7人が立ち上がって、まるで戦時中の小学校みたいな、四角い挨拶(起立、礼、ようこそいらっしゃいました!)をしてくれた。

デジカメH3が壊れていることに気づいて愕然とする。先日のパラカップの熱砂の影響か。

2階のキッチンで昼食準備。多苗尚志が間に入って、女性の一人と話す。彼女は9ヶ月ベトナムで日本語の修行を積み、それからこちらで1ヶ月の研修を経て、任地に送り出されるという。彼女の任地は兵庫県らしい。

みんなで昼食。彼ら7人は日本に来て3週間。うち一人が料理上手と目されているらしく、彼が中心になって料理を作っているのだという。ベトナムの家庭料理といった感じで美味しい。うち一つのスープは青物がたんまり入ったスープで、私の中のベトナムイメージと合致して面白かった。

多苗先生の授業をしばらく聞いた後、そっと抜け出して観光へ。 鹿島神宮。 寒い。 寒いよ。ママン。 なんでこんなに寒いのか。 もっと厚着をしてくるべきだったよ。 昨日まではあんなに暖かかったのに。 天気のせい? 鹿島のせい?

鹿島神宮は大きくて、なかなかの神域。大きな杉の木にはさまれた参道を歩いていくと、参道に横付けする形で本殿があった。んん?なんか珍しい形だな。

参拝終わって、おみくじをひいてみるとやはり大吉。 最近は何かみくじを引くたび、大吉を引く確率が上がっているような気がする。何かの気運が高まっておるに違いあるまい。

思立てる事:ゆるゆる行うがよい 出合える事:急がねば必ず自分の考えが通る 願い事:次第に願い通になる 旅立ち:ゆるゆる出かけるがよい 縁談:後の方がよろしい 待ち人:少し後れてくる 病気:次第に快気

……どんだけのんびりしとんじゃ(苦笑) 時間をかけてゆっくりと、焦らず、ということらしい。んむ。時間をかけるのは得意な方ですよ?

森が深く、霊験あらたかな雰囲気。

鹿発見。カミさんの予習によれば、例の奈良にいる鹿は鹿島神宮から送られたものだそうだが、鹿島の鹿が減りすぎたために奈良から逆輸入されたのだという。

ベトナムまで歩いて戻る。7人を前に、授業はなおも続いていた。 私に喋らせてやる、というので臨時授業を受けて立つ。

彼らが製造業で働くことになるそうなので、スリーエスについて紹介してみた。思った以上に言語の壁が大きく、話がなかなか伝わらない。うーむ。キビシイな(汗) 相当頑張ってかみ砕いたつもりだが。小学生相手にしているM先生の方がこれは向いているかもしれん。

ひーさんと夕食。近くの洋食屋。腹がくちたらひーさんもカミさんも眠そう。私が放射しているもっ波(もっぱ)を浴びると、誰も彼ものんびりするのであろうか。みんな寝やがる。もちろんわしも。

洋食屋で寝過ごしそうになりながら、高速バスへ。我々夫婦がバスに乗り込んで振り返ると、もうひーさんはいなかった。またいずれ、会うこともあろう。

都内に戻ったら、それほど寒くなかった。やっぱ鹿島が寒いんじゃん。鹿島のバカ。

■一年前の日記(船旅中です) 2008年05月06日 カンヌ:運の街/モナコ:夢の街