フィリピンクルーの話/囲碁昇級

先日、船のホテルマネージャーのトークショーがあった。ホテルマネージャーは船内トップ4役のうちの一人。キャビン部門、エンターテイメント部門、Food and Beverage部門などを統括する人物である。その話の中で、フィリピン人クルーに関する話があった。以下、要約。

現在、この船には100名以上のフィリピン人クルーがいる。その理由として人件費が安いのはもちろんだが、人件費が安いのはフィリピン以外にもある。フィリピンの半額くらいで雇える国もあるらしい。ではフィリピンクルーを雇うメリットは何かというと、やはり英語。そして人なつっこさがフィリピンクルーのいいところだそうだ。

10ヶ月契約で、給与は(条件にもよるが)一ヶ月10万円くらい(積立なども含む。おそらく額面で)。ここで3年働けばマニラ郊外に家を買えるくらいになるそうだ。 やはりフィリピン人クルーは家族との結びつきが強く、家族からの手紙も頻繁だし、家族へのお土産もたくさん買うという。

先日、囲碁教室で昇級を果たした。これまでIGO AMIGOでもらった15級を名乗っていたのだが、中級クラスに混ぜてもらっている都合上、15級では相手がいない。いわば、向かうところ敵なしである。そのせいか、先生が「これから10級で打ってください」という。つまり10級に昇進した。昇級した10級で7級の方と三子で打って、大敗を喫した。これでもう4連敗中である。連敗中に昇級するというのはいかがなものか。まぁ格上とばかり打っているんだから、指導碁だと思えばいいか。打たされる方はたまったものではないが。なにせ碁の先生がご老体で若干頼りないもので、カミさんはすっかりやる気を失っている。説明がわかりにくいのだそうだ。ヒマを見て私が教えるか、あるいは陸に戻ったらIGO AMIGOに連れて行こうかと思う。

ヨガの先生から聞いた話(先生は、我々にしんどい格好をさせておいて、気を紛らわすためによくお話をされる)。インドでは豪華客船が寄港するというのは、滅多にないことなのだそうだ。年に数回といったところらしい。寄港するということになると、現地のタクシードライバーの間に情報が広がる。稼ぎ時だ、それ、というわけで、彼らは大挙して港に押し寄せる。場合によっては、2日前から並ぶヤツもいる。というわけで、客船から来た客が思ったよりも儲からないと、彼らとしては大変なのだという。ヨガの先生などは、つい必要ないのに乗っちゃったりするそうだ。「良かったらまた(インドに)行ってあげてください」とのこと。カミさんはインドを気に入っているようなので、再訪もあながちありえない話ではないかもしれない。

残る寄港地は2つ。San FranciscoとHonoluluだ。それが終わると日本に戻ることになる。やれやれ、長い休暇もこれまでか。