「カソウスキの行方」津村記久子

カミさんがライティングルームへ行くと言うので、自分の部屋から本を 持ってきてカミさんの隣で読む。クルーズ前にトークショーで買った、 津村記久子『カソウスキの行方』サイン本。 表題作のみ読了。面白かった。 主人公である二十八歳の女性(腐女子?)の妄想をつづっているわけだ が、セコくて悪人になりきれない、小市民的な主人公の生活を軽妙に描 いていて面白い。 トークショー(3月22日)の時に、津村記久子さんはチェスタトンが好き だとおっしゃっておられて、その時に私は「チェスタトンが好きならチ ャペックも好きかもしれない」と思ったのだが、津村さんにはお伝えし 損じた。 作品を読んでみて、いよいよチャペック的なものを感じ、伝え損ねたの が残念無念。 津村さんのようなタイプは、自分の名前で検索(エゴ検索とか言うらし いが)をして、うっかりこのブログを読んじゃったりすることもありそ うな気がするので書いておきますが、チャペックはどうですか、読まれ ませんか。まだでしたら、オススメします。って私もあんまり読んでな いんですが、でもたぶんお気に召すかと。 無意識に「カソウスキ」は植物の名前だと思いこんでいたが、そうでは ないのね。(カスミソウと字面が似ていると思ったのだろう) あと2編、「Everyday I write A Book」「花婿のハムラビ法典」が残っ ているので、楽しみに読もうと思う。 ちなみにカミさんはライティングルームの蔵書である、長嶋有『猛スピ ードで母は』を読んで、これも面白かったと言っていた。