ベルゲン:工芸の街


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ノルウェーの地名って全然聞いたことなかったので(オスロ? それはどこ?)直前まで、名前が覚えられなかった。今回のぱしふぃっくびいなす世界一周クルーズはノルウェー4カ所に寄港する。クルーズ中、最多の寄港だ。ベルゲン、ガイランゲル、トロムソ、ホニングスヴォーグ。ベルゲン入港前日に、この4寄港地に関する予習をしたため、頭の中がこんがらがってしまった。えーと、街まで歩いていけるのはどれだっけ?

ベルゲンはオスロに次いでノルウェー第二の都市。旧市街は小さな湾を取り囲むようになっていて、伊豆の小さな港町を想像すると似ているかもしれない。港から街まで、十分に歩いて行ける。旧市街だけなら歩いて十分回れる大きさだけれども、山上から眺めると山の裏側まで街が広がっており、広大な都市だということがわかる。観光用の地図は旧市街地だけを掲載しているので、小さいような気がするだけだ。東京のように広い平野があるわけではないので、ちょっとその大きさがわかりづらい。

コペンハーゲンに期待していた分、ベルゲンにはあまり期待していなかった。まったくなじみのない名前ということもあるし。しかしベルゲンの土産物は予想外に面白かった。特に木工品が比較的安価で(といっても北欧価格だが)、いいものがある。工芸に生きたヴァイキングの血なのだろうか。買いたいな、と思うものがけっこうたくさんあった。

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朝まず行ったのが、早朝から営業している魚市場。湾の突き当たりにあり、海産物はもちろん、土産物もたくさん売っている。ここで長い靴べら、木のペーパーナイフ、毛皮のシースがついた短剣など、あれこれ眺めて悩む。お店は15時までやっているとのことなので、後でまた来ることにする。

市場の中程までくると、日本人のお姉さんがさかんに声を上げて、ぱしふぃっくびいなすの乗客たちに商品を売り込んでいるのを見つけた。こりゃ商売人だ。キャビアペーストなどを売っている。カミさんは値段を街のスーパーなどで調べてから、と慎重派。

この市場では鮮魚はもちろん、軽いサンドイッチなどの軽食も売っている。物価の高い北欧にあって、ここの軽食は比較的安価に食べられるものの一つだと思う。量はかなり少ないが。

市場の近くから出るケーブルカーに乗って、フロイエン山の展望台へ。山上のパノラマは、これまた予想以上にいい。展望台に立つと目の前がぱっと開け、ベルゲンを一望にすることができる。

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散歩道のようなところを少し散策すると、変な丸い木の盾のようなものを発見した。直径2メートルほどの木の盾が丘の上に設置されている。近づいてみると、「Conceptual Lens」という説明がついていた。何かのアートらしい。街に焦点が合わせてある、ということだろうか。意味がわからないが形を気に入って、大喜びで撮影してもらう。カミさんは呆れ顔をしながらも撮影してくれた。

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観光地でよく見かけるのが巨大トロル像。トロルというのは北欧の妖精で、当地では「醜い妖精」として説明されている。ムーミントロルともトトロとも似ていない、毛むくじゃらの人形だ。観光地では2~3メートルくらいの巨大トロル像が立っていて、仲良く記念撮影できる。もちろん我々も記念撮影し、土産物屋をのぞいてから街へ戻った。

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ぶらぶらと散策をしながら、ブリッゲン博物館へ。

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ブリッゲンというのは、旧市街地に残っている古い木造建築の倉庫地区を指していて、世界遺産にも指定されている。現在では商店などに利用されているが、ブリッゲン博物館はそのなりたちや使われ方などを解説した場所。入り口で日本語のカタログを貸してくれたのでわかりやすかった。非常に簡単なカタログで順路はちょっと分かりづらかったけれど、それでも内容はかなり理解できて面白かった。

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昼食は、『地球の歩き方』オススメの店で。VISAの記録によれば「BRYGGESTUEN/BRYGGELOFTET」というお店。英語メニューを熟読し、トナカイ肉のステーキと、当地の名物「干し鱈」の料理を注文する。トナカイ肉はレアでよろしく。トナカイ肉は、猪肉か鹿肉みたいな感じで、柔らかくて美味しかった。干し鱈はトマトソースのシチュー。これまた美味しかった。量もたっぷりあったし。二人で459.00ノルウェークローネ(約9,600円)。北欧価格ですなぁ。今回のクルーズでもかなり高い部類に入る食事かも。インド最高級ホテル、タージ・マハル・ホテルのカレー7000円に匹敵する値段だもんなぁ。北欧って怖い。

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街を散策し、お土産を買ったりして楽しい一日だった。ここにもSONYセンターがあり、ACアダプタについて尋ねてみたが、ノルウェーではVAIOそのものが売っていないとのこと。うわ、そうなんだ。カワイソウ、と言って良いのか、それともそれはそれで幸せなのかしらん。