ひげのない魔法使い

会社の仕事が終わらない。今日は順調にいくかに見えたんだけれど、自分のミスではない(というか誰のミスでもない)トラブルによって、23時を軽く突破してしまう。ちぇっ。 パラサイヨのSNSによれば、多苗尚志とM嬢、S嬢などが飲みに行くらしい。会場は蒲田。 どうせ明日朝10時には池袋に行く約束がある。今から自宅に帰って、朝池袋に行くというのも面倒くさい。それならばいっそ、蒲田に行ってやろうか、というわけで、会社を出て蒲田に向かう。 多苗尚志に電話するも出ない。S嬢に電話するも出ない。なんだよもー、たまに俺が行こうと思うとコレだよ。まったく連絡がとれなかったら、漫画喫茶で一夜を明かすしかない。 たまたま恋人さんから連絡があったので、これから蒲田に向かうこと、多苗尚志がつかまらないことなどを話した。たちまち、恋人さんは多苗尚志の居場所を特定し、私にメールを送ってよこした。 魔法を使う人物が必ずしも杖をついてとんがり帽子に白ひげをのばしているわけではない、という好例だ。