荒野の6人

【2006.02.11の日記】 本日のBGM アルバム『ささのみちる』より ささのみちる「My Dear」  すれ違ったなら  ああ 誰か誰か気付いて  そして  話しかけてくれてもいいよ  笑いかけてくれてもいいよ My Dear 今日はパラサイヨの全体ミーティングの日。 夕刻から飯田橋へと向かう。 会場は、区民会館の出張所。 ちょっと入り組んだトコだけど、まぁ飯田橋はそこそこ慣れたエリアだし、 Palmで地図も持っていたので、苦もなく到着。 3階の広い和室にパラサイヨメンバーが続々と集まってきた。 総勢30~40人といったところか。 今日のミーティングの最重要議題は、パラサイヨの理念決定。 つまり、政策綱領の作成だ。 パラサイヨという団体は段々メンバーが増え(私もその一人だ)、 活動も大きくなってきているところ。 メンバーの考え方もいろいろ幅が出てきているし、 意見の分かれるシーンも多い。 放っておいては分裂してしまったり、烏合の衆になってしまったり といった事態もありうる。 末永く円滑に運営するためにここらで一つ、 共通の認識、共通の目的、共通の判断基準を打ち立てる必要がある、 というわけだ。 ここでパラサイヨの事務局が採った綱領策定方法は システムとしてなかなか面白いように思うので少し紹介しておこう。 「できるだけ多くの人間が政策決定に参加できる」ということを念頭に 考えた方法らしい。 パラサイヨには有能な企業人が多く参加しているため、 方法論やシステム面に企業的な合理性を持ち込んでいて 私のような風来坊には目新しく、参考になる。 まず、全メンバーの中から有志で「理念決定メンバー」を募る。 理念決定に積極的に参加したい、というメンバーが24人ほど集まった。 これを6人ずつ4つのグループに分ける。 「会議で発言がしやすいよう」また「意見をまとめやすいよう」 大人数での議論を避け、6人ずつに分割するというのである。 たしかに24人全員で討議をすれば、収拾がつかなくなるだろう。 また、24人では会議のスケジュール調整もしづらい。 この「6人で分割」は面白い方法だと思う。 4つのグループはそれぞれ自分たちの綱領案を作成し、 全体ミーティングでプレゼンテーションを行う。 そして、全体の投票によって、綱領案を選択する。 投票の際もできるだけ死票を減らすために、まず4つのうち上位2案を残し、 その2案で改めて投票という形を取る。 4つの案はいずれも力のこもった力作。 さりながら決定の方法、時期について 「結論を急ぎ過ぎでは」「理念は多数決で決めるものではない」 「配布資料など準備が不十分」「案の比較や結合も検討すべきでは」 などの議論が百出。もう少し時間をかけて決定方法を考えることになりました。 ほかにもたくさんの議題があったものの、会場の時間的な制約もあり、 全部の議題は処理されませんでした。なかなか大変ですな。 その後は居酒屋で飲み会へ突入。 主に同じ班に属するメンバーと飲んだりしながらお話。 帰りの方向が同じD氏ほかと一緒に南北線のホームに向かって移動していたら、 突然携帯電話が鳴った。 誰かと思えば今さっきまでミーティングで一緒だったひでくんから。 「今、車でうちに帰るところなんだが、  同乗者たちが『もがみがいないと話にならん』と騒いでる」と意味不明な陳述。 「話にならん」って何だよいったい(笑) D氏たちに別れを告げ、駅員さんにパスネットカードをチェックして通してもらい、 駅近くの路上で、ひで家の拉致自動車に拉致される。 ひでくんの同乗者どもは、ひで妻のiちゃん(運転担当)と、たなひー。 車の中で、今日の理念の議題などいろいろな話題について雑談する。 僕自身は、もっともシンプルでオープンな、ひでグループの案が一番気に入っていた。 身内びいきをするわけではない。 理念というのは常にシンプルであるべきだし、 集団というのは可能な限りオープンであるべきだと思う。 他のグループから出ていた「メンバーを登録制にしよう」という議論は、 「幽霊メンバーの管理負担を減らしたい」という意図のように思われるが、 現実に合うように曲げて理念を作るなら、理念を作る意味がない。 本来は、理念を実現するために、現実の方を従わせるべきなのだ。 車中で、たなひーが「パラサイヨミーティングの雰囲気をもがみさんがどう思ったか」 ということを気にしていたようだった。 私自身その時には大した意見を持っていなかったので、いつの間にか 「理念をどう思ったか」という話題にすり替わってしまったのだけれど、 改めて会議についても少々思いついたので、覚え書きに書き留めておく。 40人からの人数でミーティングを行えば、あれはまぁ標準的な雰囲気かなと思う。 全員が気軽に意見を言えるというのは理想的ではあるが、 現実には難しいのじゃなかろうか。 第一、もし本当に40人全員が気軽に意見を言えば、恐ろしく時間がかかるか、 でなければその場は全員が大声で話すだけの、養鶏場みたいな場所になってしまう。 だから、声の大きな(発言力の強い、という意味だが)人間が 場の中心になってしまうのはやむを得まい。 その上で、声の小さい人間の意見をどうすくい上げるかということだけれども。 一つの妥協案というか、補足的に考えられる対策は 「野次」「喝采」という表現方法を採り入れることかもしれない。 僕が持っているハインラインの小説では、会議中に 「賛成!」「支持します!」といった声が頻繁に飛び交っていた。 これは、まぁ一つの意見の表明方法であるわけだ。 ちとやかましいとか、進行を妨げるといった可能性もあるが、 黙って縮こまっているよりは、会議が面白くなるかもしれない。 ――ただ、日本でその習慣を浸透させるのは、難しいだろうなぁ(笑) それにこれは賛成を表明するだけで、 弱小の意見をすくい上げる、という目的からは少しズレている。 途中、買い出しの駐車の時にバンパーが損壊。あわわ。 ホントもろいのね、バンパー。 吉田家でまったり雑談。M-1グランプリ2003年のDVDを見る。そこそこ面白かった。 その後、囲碁を4局も打つ。 第一局:ひでくん vs たなひー&もがみチーム 第二局:ひでくん&たなひー vs iちゃん&もがみチーム 第三局:ひでくん(黒番) vs もがみ(白番) 第四局:ひでくん(白番) vs もがみ(黒番) 深夜から明け方にかけての対局で刻一刻と集中力を失っていくメンツにあって、 唯一、私だけが元気(笑) 後半2局については、二敗。くっ、やはりまだかなわんのじゃよー。 たぶん序盤の「辺」への布石で差をつけられて、そのまま終盤まで持ち込まれている模様。 序盤にもっと相手の地に打ち込んでいかないといけないんだろうな。 しかしまぁ、明け方近く、第三局が終わったところで 「じゃあ白黒変えてもう一戦」と言い出すバイタリティはホントすごいな(苦笑) 明け方、ひでくんを30分だけ寝かせて起こすことになったので、 30分間、たなひーとちょっとだけ指導碁。 つっても私もたいした碁が打てるわけじゃないんだけど。 こないだ先生から教わったことの受け売りを中心に。 あと隅の定石手順を2種類。 三々の定石は覚えたかなーと思うけど、ケイマにかかる定石は、たぶんまだかな。 ひでくんを起こして、たなひーと一緒にひで家を後にする。 今後、スポーツ系のイベントに参加する機会も増えそうなので、 スポーツウェアを買おうかと思っている。持ってないのよ。 あー、シューズもか。_| ̄|○

「たった一つの魂の病いは治せるのかな?」とブラウン神父は真剣に好奇心をそそられて言った。 「そのたった一つの魂の病いとはなんです?」とフランボウは笑顔で問いかえす。 「自分がまったく健康だと考えることですよ」 ――G.K.チェスタトン「アポロの眼」(『ブラウン神父の童心』収録) 他人のことを病気だとか異常だとか、不完全だとか指摘していい気になっている人間は、 ほとんどの場合、自分の深刻で致命的な「魂の病い」を無視している。 病んでいるんだ、君の方が。そう教えてあげたい。