押すなよってフリじゃない/錦渓

朝起きて、バスに乗ってホテル出発。ホテルの横に市場があるのを発見。今度ここに泊まる明後日の朝はこれ見よう、と思う。

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バスは上海の郊外へ抜け、水郷として知られる錦渓へ。ここはAAAA級の観光地に指定されている。 駐車場でバスを降り、入り口をくぐると、水の上を渡る橋に出る。橋というか通路だ。幅は3mほど、手すりも何もなく、ただ水の上を渡る。カミさんに念押し。「あのね、ここで『押すなよ押すなよ』って言ってもフリじゃないから。本気だから。よろしく」 小さな船に乗り、水路を進む。水路の両端には家や通路が並び、昔ながらの雰囲気を醸し出している。この後で行った朱家角などは割と商業的というかテーマパーク的な臭いがするんだけれど、ここ錦渓は田舎町の風情があっていい。船頭を務めるのは地元のおばさんたち。中国語しか話せないけれど、にこにこと愛想が良い。船は狭い水路をゆっくり進んでいく。ときどき、向かいから来る船とすれ違う。ちょうど九州柳川の感じに似ている。しばらくすると、おばさんたちが、船の上で歌を歌いだす。中国のたぶん古い歌なんだろう。歌が終わるたびにお客さんみんなで喝采。おばさんも上機嫌でまた歌う。のんびりとして、いい気持ち。 カミさんが船の前後に立って写真を撮りたがる。おばさんが「小心小心」と言っているのは、どうやら「気をつけて」ということらしい。 船から降りると、ガイドさんがチップを少し、あげてくださいという。みんなで出し合ったら、ずいぶんたくさんになってしまったみたいだけど。 書画の展示をしているところを眺める。たぶん見所なのかもしれないけれど、なにぶん不調法なもので、書画の価値がわからない。 歩いて移動。カミさんはお菓子を買い食い。ツアーの他のお客さんと共同購入したつもりが、代金を受け取ってもらえず、結果的に頂いた形になってしまった。ゴマクッキーみたいな味で、パリパリして美味しい。 骨董博物館。一言で言って、変な博物館だ。個人のアンティークコレクションを展示しているらしいが、収集に一貫性がなく、やたらめったら集めた感じ。陶器、書画は言うにおよばず、有名人(含むハリウッド)のブロマイドや時計まで、およそ「収集」「骨董」と名の付くものならなんでもある。あんまり風流を解さない人だったんだな、と思う。数だけはたくさんあるが、狭い展示室にところ狭しと積み上げてあるので、あんまり価値があるような気もしない。たぶん、実際そうなんだろう。 一個だけ、何に使うのかわからなかったのが、何かをひっかけるような鈎状の道具。けっこうたくさん展示してあったんだけど、あれは一体なんじゃろか。いろりの鈎みたいな感じだったんだけど。ちなみに、18禁の春画の部屋もあった。 1階の隅には職員だかなんだかの生活空間もあって、洗濯物が干してあったりするのが中国的。 駐車場に戻ると、婚礼らしきカップルを見かけたり。こういう観光地で結婚するカップルが、中国でよくあるのかどうかはわかんないけど。 中国の古いのどかな雰囲気(たとえそんなものが幻想だったとしても)を味わうのには、非常にいい場所でした。

■一年前の日記 2008年11月28日 ついでに無料