昨日、自転車で池袋まで往復したのがたたって、今日は腰痛気味です。とほほ。
今日、友人からメールが来ました。
「この一行」が自分の人生に多大な影響を及ぼした
ってのありますか?
こりゃ難問だ。人生に影響を及ぼしたものというと……。
広い意味の書籍、というので言えば漫画。
◆ゆうきまさみ『究極超人あ~る』
◆萩岩睦美「くじら・舞踏会」(『悪魔という名の天使』収録)
などが人生に影響しているんだけど、漫画はやっぱ「一行」とは言えないだろう。
「くじら・舞踏会」の終盤のセリフとか、けっこう影響されてんだけどな。
子供の頃、うちに日本ブック・クラブの『こども名作全集』という赤い背表紙の全集が50冊くらいあって、ヒマになるとそれを何度も読みまくっていた。「本さえたっぷり置いとけば、勝手に読むだろう」といううちの親の思惑にぴったりハマったことになる。
『小公子』の中に、祖父のドリンコート伯爵が主人公のセドリックを評して言う言葉がある。セドリックをパーティに出席させることに決めて曰く
「たいていの子供は話しかけられても何も答えられないばか者か、訊かれてもいないことを話し続けるかどちらかだ。だがあの子は話しかけられれば答えるし、そうでなければ黙っているからパーティの邪魔になることはなかろう」
この言葉を読んで以来、話しかけられるまでは黙っていて、話しかけられたら答える子供になろう、と思って、その通りにしていたような気がする。50冊の名作のうちでこの言葉を妙に覚えているんだけれど、人生に多大な影響を及ぼしたかどうかは、ちょっとわかんない。けっこう大きい気もする。
あと『ロビン・フッド』好きだったな。影響した一行っていうようなのはあんまないけど。
他にもたくさん読んだけど、いちいち覚えてねーや。思い出すには時間がかかる。
それでいったら幼年期から親しんだ聖書には大きく影響されていると思うけれど、それは設問の意図を大きく外れていると思うし。
ハインラインは大好きだけれど、影響を受けた一行っていうほどのはないし。ダンセイニは大好きだけれど、文体から影響は受けても文章から学ぶような作品じゃない。
けっきょく南極(←古)、G.K.チェスタトン『ブラウン神父の秘密』「マーン城の喪主」という短編の一節に落ち着いた。
あなたがたが人を許すのは、許すほどのことが何もないからなのだ
「人を許す」ということに対して、はっきりしたイメージを与えてくれた短編。
この人たちは本当に申し開きの立たぬことをしているのです。本人も世間も弁解の言葉を知らぬようなことをしているのです。
……で、何のための質問なのよこれ?