社長と社長室とオレ。

先週、社長室長から声をかけられた。「来週の月曜空いてる? 社長と三人で飯でも」 社長と社長室長とオレ。入社して一ヶ月半、「社長」がついてないのはオレだけの状況で一体何を話すのか。 ドアを明けると真っ暗な部屋があり、目の前に低い椅子が一脚置いてあるのがぼんやり見える。「座りたまえ、もがみくん」 椅子に座ると、正面の闇の中に誰かが座っているのがわかる。 「君には失望したよ、もがみくん」 「あ、あの……」 「まったく、給料泥棒とは君のことだな、もがみくん」 「いや、その……」 「何か言い分があるなら言いたまえ、もがみくん」 「えーと、仕事の時には、本名で呼んで下さい、できれば」 以上想像。 週が明ける前に「私も呼ばれたんだけど」と社長室長M嬢も参加が確定。となると考えられるのは、3人ともパラサイヨのメンバーだから、社長がパラサイヨに入りたい、とか……あ、技術課O氏が抜けてるか。 どうでもいいけど、やっぱり「社長」がついてないのはオレだけ。 仕事が終わった後、社長室長、M嬢と電車で移動。大井町の近くにあるらしき、鰻屋さんへ。名前が行書で書いてあって読めないタイプのお店(ホントに店の名がわからん)。 給料泥棒の話もパラサイヨの話もなくて、フツーに職場の話とか会社のメンバーの話とか結婚生活の話とか。 帰りに社長がタクシーを2台呼んで下さり、そのうちの1台で私と社長の二人(正確には、タクシー運転手も入れて三人)で大森方面へ。「今日は社長と社長室に何を言われるのかと思いました」と正直に言うと、社長はいつものようにガハハと笑って「たまには話したかっただけだよ」とおっしゃった。 鰻とタクシーごちそうさまでした。