荒川を超えて

研修7日目。 今日は会社の商品XB、XRの説明を受ける。 やはり年季の入った社員というのは、教えるのもそれなりに上手い。たとえ「フィルター」が言えなくて「ふいるたー」になっていたとしても。あるいは、時々「じゅっぱちが」とか「よんろくが」とか解読不可能な単語が飛び出したとしてもだ。 午後には協力会社(いわゆる外注)の塗装メーカーに顔見せに連れて行かれる。上司の運転する車で、荒川を超える。競艇場の近くだ。この辺りは小さな工場がたくさんあり、特に紙や製本関係が多いみたい。どういうわけだかわからないが。そういえば北区や豊島区には製紙業が多い。王子製紙、十条製紙、日本製紙などが集まっているのには、何かゆえんがあるのかもしれぬ。 川沿いの塗装メーカーに到着。荷物を出して依頼する。シンナー系の薬剤の匂いがする。社長はダイカストの鋳物と自分の左手にはめた軍手を、スプレーで真っ黒に塗りたくっているところだった。気のいいオジサンといった感じ。工場で働く労働者の一人は筋骨隆々とした黒人で、アルジェリアかどこかの人だということだった。日本人の奥さんがいるらしい。 会社に戻ってからは検査の実習。座学で勉強した後、工場にある機材を使い、製品の検査をやる。なかなか手順が覚えられず苦労した。 会社が終わった後、不動産屋に連絡をするが、やはり会社が終わった後の時間帯での内見は厳しいとのこと。ぬぅ。