ホノルル:バスで行く楽園2

これまでおおよそ順調にこなしてきた旅が、最後の一日になってトラブルまみれに終わるとは、予想だにしなかったことなのであった……。 朝0430に起きて、着替えて出発。ダイヤモンドヘッドでの夜明けを目指す。まず、そもそも、タクシーをつかまえないといけないのだがこの時間につかまるのか。アロハ・タワーのロータリーにあるタクシー専用電話もオペレーターが出ない。仕方なく、通りに出てタクシーを探す。幸い、すぐにタクシーがやってきた。ダイヤモンドヘッドへゴー。 無事ダイヤモンドヘッドに到着したものの、ダイヤモンドヘッドのクレーター内に通じるトンネルは封鎖されていた。0600時まで開かないらしい。ぎゃふーん。タクシーを返して、その手前の入り口で待つ。 日本人観光客が多数やってきた。ツアー客らしい。ツアー客にガイドが説明しているのを一緒になって聞いたところによると、夏は日の出が早いので、開門の0600時とほぼ同時に日の出になってしまう。そのため、夏期にダイヤモンドヘッド頂上から朝日を見るのは不可能なのだそうだ。冬は日の出が遅いので、0600時に開門してから頂上を目指せば朝日が見れるそうだ。なるほど。
20080704_060103.jpg日の出とほぼ同時に開門。歩いて頂上を目指す。我々も開門からすぐに入場したはずなのに、途中でもう戻ってくる人たちとすれ違う。頂上まで駆け上がって戻ってきたらしい。スポーツマンなのか、すごいスピードで頂点に到達している。おばあさんもいる。長い階段や、狭いトーチカの出口を通り抜けていく必要があり、さながらアスレチック。やっとのことで頂上を極める。さすがにいい景色。ワイキキ・ビーチを見下ろして満足。……だから何だって言われるとむなしいんだけど。来た道を帰らなきゃいけないし。 ダイヤモンドヘッドまで客を乗せてやってきたタクシーをすかさずつかまえて、カパフル通り/キャンベル通りの交差点へ。ここで朝食を食べるはずだったが、地図を読み違え、店のない通りへ出てしまった。朝食を探す時間がもったいないので、朝飯抜きで真珠湾方面の戦艦アリゾナ&戦艦ミズーリ方面へ直行することにする。 ダイヤモンドヘッドから真珠湾まではかなり距離があり、42番のバスに延々乗って、冷房で冷える。ついに戦艦アリゾナ&戦艦ミズーリへ到着。 まず、長蛇の列にびっくり。私が列に並んでおいて、カミさんが偵察に行く。クレジットカードが使えない&荷物をクローク預けてこいとの情報にびっくりする。いや、クロークがあるなんて情報知らなかったし。現金はあとわずかしかない。 仕方なくATMでお金をおろそうとすると、私のカードはなぜか不発。お金が下ろせない。カミさんのカードは、暗証番号がわからず、下ろせない。あわわわわわわわ(動転) とりあえず、クレジットカードが使えないのはオーディオガイドだけで、入場料はクレジットカードで払えるとわかる。さて、どうしよう。 かなり動転しており、気を静めるために食品を手に入れる。売店でお菓子とドリンクを買うも、これも私のクレジットカードが訊かない。カミさんが買おうとしたがパスポートなどのIDが必要だと言われる。がく。店員が目をつぶってくれて、カミさんのクレジットカードで購入。かなりウザい客扱いを受ける。まぁ、真珠湾で日本人が騒ぎを起こせば、そりゃそうか……。
20080704_101826.jpgとりあえず、席に座ってポテチを食べながら落ち着いて考える。戦艦ミズーリやアリゾナはかなり時間がかかりそう、というのもあって、潜水艦バウフィンだけ見ることに決める。
20080704_103510.jpg潜水艦バウフィン号は液体持ち込み不可(水はオーケー)。ペットボトルのフタに名前を書いて預かってくれる。入り口でカメラマンが写真撮影しているが断る(新聞にハメコミで入れて印刷してくれるらしい。もちろん有料)。 潜水艦の中は狭く、ここで大勢で集団生活ってのはさすがにしんどいな、と思う。魚雷発射室で14名寝るとか、やだなぁ。魚雷と雑魚寝ですよ。そりゃ一発くらったら魚雷室にいてもいなくても同じなんだけど、気分は良くないよね……。ベッドは一人に1つもないので、寝ている交代要員を起こして自分がそこで寝るシステム。ロッカーもないので、自分の手荷物は青い荷物袋に入れて持ち運ぶのだそうだ。
20080704_110116.jpg潜水艦デッキには望遠鏡、対空砲などが置いてあり、みんな適当に触って遊んでいる。アメリカ人の若者に写真を撮ってもらう。親切に2枚、アングルを変えて撮影してくれた。ありがとう。 潜水艦を降りて、周囲を少し見物。「回天」の現物とか展示されていた。クルーズのスタッフに偶然会うことができて、お金を少し借りることもできた。一安心。 1120時。アリゾナ、ミズーリは見ずにダウンタウンに戻ることにする。またバスで戻る。イオラニ宮殿で、カメハメハ大王の像を眺めるのこと。 ガイドブックによればここでコンサートをやっているとの噂だったが、不発。影も形もない。宮殿、戴冠式場の見学などもできないみたい。どうなってんの? ちょっと古いガイドブックだと、もうすぐに変わっちゃうんだろうか。 57番バスに乗って、カイルアへ。土地勘がついてきたので、前回よりもビーチの近くまで乗っていく。 商店の駐車場の警備員のお姉さんに「ロッカーはある?」と聞いたら、親切に店の人のトコまで連れて行ってくれて、尋ねてくれた。愛嬌のあるお姉さんで、警備会社の車に乗った二人組を見つけると声をかける。 お姉さん「あら、私をチェックしに寄ったのね」 車の男たち「ああ」「そうそう」 ダルそうに答える男たちもまたよし。 ビーチウェアのお店でロッカーを借りる。1ロッカー3ドル。2つ借りた。 朝からポテチしか食べてなかったので、ピザを購入。「ボブのピザ(ボストンスタイル)」カミさんはガーリックとほうれん草。私はオリーブとペペロンチーニ。どちらも大変美味しい。ボストンで食べてくればよかったって話はあるにせよ。 浜辺で着替え。 天国のようなビーチで泳いでみると見た目ほど快適ではないことがわかる。海藻が多くて、足にからみつくのだ。砂地には砂利のところと砂のところがあり、砂利が痛くて歩きにくい。思ったよりも引き波があって、油断すると沖に持って行かれる。そしてまた海藻だ。海藻がとにかく不快な感じ。ここは見た目がいいビーチなんだなぁ。ゆったりするならジャマイカのドクターズ・ケーブ・ビーチ。波打ち際で遊ぶならメキシコのアカプルコ。 ビーチでウィンドサーフィンを指して「あれはエンジンが着いているのか?早いな」と話しかけてきた若者もいた。日本人カップルもいた。波打ち際で足を取られておぼれかけていたおばあちゃんもいた。何もかもがハワイっぽい。 15時にいったん休憩(ここで帰っておけばもう少し安心な旅だったかも)。もう一泳ぎ。 さて、夕暮れになって57番のバス亭まで。ところが、待っても待っても来ない。他の客も不安そう。 やっと来た70番のバスの運転手が親切で、ワイキキへの乗り換え地点(3路線が通る)まで、みんな只で乗せていってくれる。サービスだ。アロハスピリットだ。 再び乗り換え地点で待つ。さっきビーチで見かけた人がたくさんいる。みんなワイキキ方面行きを待ってじりじりしているらしい。ふとっちょのメキシコ人カップルが騒ぎ出す。「実は、18時の飛行機に乗らなくちゃならん」とあわてている。我々も次第に焦りだした。私の携帯は通じないし、しかもカミさんは携帯電話をロッカーに忘れてきたっぽい。親切な日本人のお姉さんが電話を貸してくれる。現地旅行社に連絡。「そこから30分くらいだと思います。船には連絡しておきますから」 やっとのことでバスが来た。56と57がほぼ同時に到来。みんなどやどやと乗り込む。 アロハ・タワーでバスを駆け降りる。ゲートで現地係員に「なんでこんなに遅い?」ととがめられる。「バスが来なくて」と説明すると、肩をすくめて通してくれた。荷物検査通過。 船に向かって一目さんに走る。二等航海士とチーフパーサーがギャングウェイから身を乗り出すようにして待っていた。 死ぬかと思ったよ。ホント(大げさ) 出港は、船長判断で、ダイヤモンドヘッドの前をぐるっと航行してくれた。ついに最後の寄港地、ホノルルも終わり。 最後の最後で、朝食抜き、クレジットカードの不備、カミさんの携帯電話紛失、バス待ちと事件が多すぎた。もー、ほんと疲れたヨ。とほほ。 お金を借りたクルーズのスタッフにお金を返し、その後のドタバタを報告したところ「じゃあ旅行のうちで、今日が一番思い出に残りますよ」とにっこり。流石、いいこと言うなぁ。