Mumbai: BIO HAZARD

2008-04-15 Mumbai: BIO HAZARD

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シンガポールからムンバイというこの旅程は、まあずいぶんと極端な落差があるな、と思う。Tokyo2008からTokyo1945へ行くようなものだ。上陸した日の最高気温は37度ということだったが、思ったほどは暑くなかった。

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港に着いた時に最初に思ったのが「『バイオハザード3』の映画にそっくりな光景だな」ということだった。塗装のはがれかけたさびれたクルーズターミナル。カラスが飛び交い、やせた犬がダルそうに寝転がっている。シンガポールの巨大で美麗なターミナルと対照的だ。

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オプショナルツアーの半日観光でインド門、タージ・マハル・ホテル、ドービー・ガート(カースト底辺の見本)などを見た。

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観光地に行くと必ず、物売り、物乞いが一個小隊くらい襲ってくる。3歳くらいのガキんちょがこわごわ近寄ってきて(しかし、決して逃げようとはしない)手のひらをこっちに向けてくる。「マリワナ?」とささやくオッサンがいる。音の鳴る変なおもちゃを手の中で鳴らしながら売りつけてくるガキがいる。信用できる要素がどこにもない。

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半日観光の時に「危険なので注意して」とさんざんおどされたので、午後の自由行動になっても、びくびくしていた。 二人でメインストリートを散歩。何も危険ではないのかもしれないが、どうもびくびくして、店に入って買い物をするのも怖い気がする。結局、あまり買い物もしなかった。欲しいほどのものもなかったし。 DSC01395

一個だけ欲しいと思ったのは、露天で売っていた、手作り感満点のノートやレターセット。100~150ルピーくらい。ディスカウントが少なかったのでやめておいたが、買ってもよかったかもしれぬ。でも手持ちのルピーが全部合わせても1000ルピーくらいだったからなぁ。

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街で食事をする気になれず(すべてのレストランが暗くて入りづらい雰囲気)タージ・マハル・ホテルに戻ってインド料理屋でカレーを食べた。フィッシュカレーとミートカレー。どちらも美味しかった。

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食後に何か、見た目はチマキのようなものが運ばれてくる。「これは?」とウェイターに聞くと「サービスです」とのこと。外側の葉っぱがはがせないので「どうやって食べるの?」と訊くと「甘いので、そのまままるごとお食べなさい。消化にいいんです」と言われる。勧められるまま口に入れたカミさんが、変な顔をした。

カミさん「これは……脳にズキンとくる味だよ」

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おっかなびっくり、口にする。インド料理の衝撃。Incredible India! 各種薬草を混ぜ合わせた餅といった感じ。ミントのような部分もあり、口の中でザリッという歯ごたえがする部分もあり、なんとも名状しがたい苦みもあり……カミさんに「しかめ面しないで」と注意された。さすがにはき出すわけにもいかず、苦労して飲み込んだ。あう。 後で聞いたところによると、インドの家庭で食後によく出てくるもので、消化とオーラル・ケアのために食べるものらしい。 二人で2600ルピー(約7500円)。この国では最高級のホテル・レストラン。 港へ戻るため、タクシーに乗った。

こいつがまったく英語ができず、地図もろくすっぽ読めない。見当違いの方向に30分くらい走って、辺鄙なスラムの通りを走っていく。ガソリンスタンドで「今の居場所を教えろ」と騒いだら、スタンドの兄ちゃんたちにヘルプを求めたらしい。スタンドの兄ちゃんたちは、運転手よりは英語を理解していたらしく、4人して地図に首をつっこみ、窓から盛んに「戻ってどこそこを曲がれ」というようなことを言って、運転手を叱りとばしている。 結局、船で渡された緊急連絡先をカミさんがダイヤルした。現地語で運転手と話をしてくれて、どうやら意味が通じたらしい。その後、運転手は別のタクシー運転手に乗り換えをさせた。どうやら本格的に彼の手に負えない場 所だったらしい。75ルピーを要求されたが、ふざけるなと言ってそのまま出てきた。 無事に港に戻ることができて、ホッとした。あのまま乗ってたら、どこに到着したことやら。

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考えてみると、街にはタクシーがあふれていた。意味がわからんくらい、タクシーだらけだ。道路を埋め尽くしている。あの中で生き残ろうと思ったら、英語がわからなかろうと、地図が読めなかろうと、直感で走る羽目になろうとも、客を逃がすわけにはいかないのかもしれない。

船に戻ってまず着ていたものはすべて脱いで洗濯物とし、旅で汚したものはトイレにあった消毒用アルコールをぶっかけておいた。 昼食の前にミネラルウォーターで手を洗い、うがいをしたのが良かったのか、今のところ、体調はいたって良好。 本物の“バイオハザード”には至らずに済んだようだ。

ドコモのSo503iはムンバイではまったくつながらなかった。一度もアンテナが立たず、圏外のままだった。カミさんのソフトバンクのPANTONEケータイは、つながりすぎるくらいつながる。迷惑メールが盛んに到着している。街の中でも「vodafone」の看板をやたら見かけた。ムンバイではソフトバンクに限る。

街でずっと手を握ってのら犬に遭遇するたびにビクビクしていたカミさんは、「シンガポールよりずっと面白かった」と言い、また来たいと言っている。私は、まぁどちらでもいいかな、という感じ。ガンジス川の方とかに行くのはいいかもしれない。

カミさんのケータイはよくアンテナが立つのに、メールが来なくて寂しがってます。近況など送ってあげてください。三十一文字と言いましたが、実際はたぶん100文字くらいまで受信できると思います。私のケータイは受信有料なのでほどほどに。