袖すり合うも立身出世

R25.jpの仕事をしたことをあちこちで話しているんだけれど、周囲の反応に時々違和感を覚える。何の違和感だかよくわからずにいたんだけれど、やっとわかってきた。 みんな喜び過ぎなのだ。 どうも私が立身出世をしたくらいに思っているらしい。私の感覚としては 「珍しく知名度の高い媒体で、記名の仕事したよー。ホントに名前が載ってっからさーちょっと見てよほら」 という程度なのだが、読む方はどうも 「すごいっ。これであなたも一流のライターの仲間入りをしたんだね! もう安心だね!」 と受け取っているフシがある。 学生時代までは私も、そういう感覚はあった。「全国誌に書く」っていうのは全国に名が売れることのような気がするし、すごいことのように思われる。でも、それは幻想だ。出版業界に入ってすぐ、そんな感覚は消え去った。 知名度の高い媒体だから台所事情がいいとは言えないし、メジャーな媒体で書いているからすごいライターだということにもならない。そんなことで名前が売れたりもしない。まして「一度、メジャーな媒体に書いたことがある」というだけのライターなら、腐るほどいるのだし(一つのメジャーな媒体が、年間にどれだけたくさんのライターを使うことか)。袖すり合うくらいで「立身出世」扱いされたら、呆れられることだろう。 そーいうわけだから、立身出世はもうちょい先。これを手始めに、もうちょい頑張らないとね。